byり

うふ♡

宿る記憶



ふと感じ取ったその香りに
思わず反応する
懐かしさと嬉しさの中に
切なさが見え隠れ

吹っ切ろうとしていたのに
吹っ切れそうだったのに
吹っ切ったはずだったのに

あの頃が幸せだったのなら
それでいいわ





香りの思い出はありますか?

あの人と同じ香りを探していたことはありませんか?



香りで過去の記憶や感情が蘇る心理現象
それは『プルースト効果
※詳しくはググってね



たとえばそうね
あの人と同じ香り♡ってなって
香りの主をトキメキながら探し出し
わかってるの、違うのよ
それでもいいからこっちを向いて!と願い
振り向かないのなら前に出てお顔を…
見るんじゃなかった
トキメキ返せ
なんてことはありませんか?

いや、もしかすると私の香りに反応して
わかっていながらも必死に私の顔を確認して
思いっきしガッカリ落胆失望絶望した方がいらっしゃるかもしれない
申し訳ない(知ったこっちゃないけど)



父が亡くなってどれぐらい経った頃だろう
突然ふわりと父のそれを感じた
慌てて立ち上がって辺りを見渡し
あちこち嗅いだ
嗅げるだけ嗅いだ

自分の体を

ついに私は男臭を纏うようになったか!?
父と同じ加齢臭を放つようになったか!?



実話です



結局それが何だったのかはわからないけど





思い出さずにはいられない
記憶に残っていたい
私を思い出してほしい
どこかそう思っている私がいるような気がする





探しても探しても
私は新しい香りに出会えずにいる



ご訪問いただきありがとうございます。
byり